愛される理由

歩き回ってクッタクタで、腹ペコ状態で、棒になった足をなんとか動かして辿り着いたお店は、川端二条にある「赤垣屋」。
あの太田和彦さんもオススメの店だというのを聞いて、行ってみました。
こういう居酒屋さんって予約とかは受け付けてないのかと思ったけど、ダメモトで事前に電話を入れたら「ほな、2席どっか空けときますわ~」というナンとも気持ちのよい対応をしてくださり、それだけでもワクワクモードになってました。

薄暗くなった空の下、ぼんやりと優しい赤い色を放つ店構えが、疲れた体に心地よいです。
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5時開店のお店で、到着したのが5時3分過ぎくらい。
ガラガラと引き戸を開けると、え?もしかしてもっと開店早かった?っていう感じでもう、すっかり満席でみなさんくつろいでいます。
名前を告げると、初老に足を踏み入れたようなオヤジさんが「はい!チキチキ様、お待ちしておりました。こちらのお席をお取りしております」と言って、小上がりのテーブルに案内してくれました。

店内はカウンターが10席程度と、小上がりが3卓。そして、どうやら奥のほうにも部屋があるようです。
天井からは、白熱灯がぶら下がり、優しく店内を照らしてます。
いつからこのお店が存在するのかは知らないけど、昭和にタイムスリップしたような気分になれますわ。

まず瓶ビールを頼むと、さきほどのオヤジさんが
「はい!チキチキ様、瓶ビールのご注文をいただきました」と、またまた非常に礼儀正しい接客です。
このあとも、オーダーを入れるとその度に、「チキチキ様・・・」と(もちろん本名のほうね!)言ってくれるのが、全然イヤミがなく、とても気分をよくしてくれます。

そうこうしてる間にも、ひっきりなしにお客さんが。
満席で諦めて帰る人も多々おりました。
予約しといてよかった・・・。

ビールと一緒にすぐにお通しも持ってきてくれました。
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里芋の煮物と胡麻豆腐。
里芋は、ゆずの香りがフワッとしてとても上品な味付け。

カウンターの中のおでんがとても美味しそうに見えたので、とりあえずおでんを一皿と、しめ鯖を頼みました。
かなりレアで、シメ加減も控え目。
で、お醤油じゃなくってポン酢醤油がかかってます。
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このしめ鯖が、バカウマ~!!
お替りしたいくらいにうまかった!!

おでんはおまかせで。
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京都らしく薄味で上品な出汁です。

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万願寺唐辛子。

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疲れた体にピッタリのもずく酢。


焼き鳥。
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このモモ肉が、と~っても柔らかくてジューシーで、美味しかった~!
歩き疲れて食欲のないチキ夫を尻目に、一人で食べちゃいました。

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おでんのタコを単品で追加オーダー。
下茹でしてあるタコを、短時間おでんのツユにくぐらせてるのかな?
プリプリとした食感が楽しめます。

お品書きに値段が書いてなかったので、ちょっとドキドキしたんだけど、これとお銚子3本で7000円ちょっと。
とても良心的なお値段ですわ。
お会計の時も、接客担当のオヤジさんが、「チキチキ様のお会計はXXX円になります。ありがとうございます」と言いながら、腰を90度曲げてお礼をしながら現金を受け取っております。
本当に最初から最後まで、とっても気持ちのよい接客で和やかな気分にさせてくれるお店でした。

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このお店が愛されている理由が、短い間にもヒシヒシと伝わってきましたわ。
名店というのは、お料理が美味しいのはもちろんだけど、こうやってお客様をもてなす気持ちっていうのも本当に大切なんだなぁと、改めて感じさせてくれますわ。
なんだか魔法をかけられたような楽しい時間を過ごすことが出来ました。
また京都に行くことがあれば、絶対にリピートしたいお店です。
Commented by k_dino51 at 2007-12-02 20:36
やっとご飯~(子供かい!)
と思ったらいきなりシブいとこ攻めましたなぁ!
ここは京都の酒飲みの聖地どすえ~(かく言うワタシも一度訪問したきり)
あの狭ーい小上がりにちんまりと座って、樽酒を頂く・・・ああ幸せ(笑)
ここのきずし最高でしょ!? つゆだくって言うのかなぁ。
酸味が丸くて、最後の一滴まであのつゆが飲めちゃうという。
ああ、こんなこと書いてたら行きたくなってきたっちゅーねん(笑)
Commented by paozou63 at 2007-12-02 22:08
庭園散策、わたくしも楽しんだ気分になっております。
やっぱり京都は深いな~~~~

万願寺唐辛子が気になります。
Commented by sukatan_queen55 at 2007-12-03 12:32
渋い、渋いねぇ~お店の人のハキハキした対応って、お客さんも気持ちよく過ごせるし食欲もすすむってもんだわ。
あっさりあっさり煮物系、うす味系で攻めてるな、と思ったら
やっぱり焼き鳥が出てくるところがチキさま。
女性の方が歩き疲れても食欲がある・・どこかでみた図のよう。
しかし、秋の京都はいつも混雑なのがわかるわ~綺麗な紅葉。
夜はお酒で真っ赤に染まって。
Commented by tohko_h at 2007-12-03 13:25
昨日、おいしいしめさばが出てくる小説を読んでいて(小説そのものは
すごくつまらなかったのだけど)、ちょうどしめさば欲に取り付かれて
いたので、こちらの記事に反応してしまったわ。そういえば我が家も
ポン酢醤油で食べるかも、しめサバ。あと冷奴とか、普通そこは
醤油やろ、ってところでもポン酢の登板回数が多いのです。

焼き鳥を欠かさないところが美学ですね! 

Commented by tiki-tiki2005 at 2007-12-03 19:55
k_dinoさま>
ぬはは!
実はdinoさんのブログで見かけた伏見に行こうかと思って、色々と調べていたらこちらのお店がひかっかったのです。
こんな渋い居酒屋があったなんて、もちろん学生の頃は全然知らんかったわ。
ま、知っていたとしても、しょんべん臭い学生なんて足を踏み入れちゃいけない世界って感じだけどね。

本当にしめ鯖うまかった!
仕上がり具合は料亭顔負けの上品さだったし。
何度でも通いたくなるお店ですわ~!
Commented by tiki-tiki2005 at 2007-12-03 19:56
paoちゃん>
万願寺は、うちの畑でも今年けっこう収穫できたのよ。
甘みの強い唐辛子で、そのまま焼いておかかをドバっとかけて食べるシンプルな食べ方でもめちゃウマなのよ♪
Commented by tiki-tiki2005 at 2007-12-03 20:00
sukatanさま>
こういうお店の年配の人って、ともするとすんごい無愛想な接客とかをするイメージがあるけど、ここのお店の人は、みんなそろいも揃って礼儀正しいのさ!
礼儀正しさ日本一の居酒屋の称号をあげたくなるくらい。

やっぱりさ、どんだけ上品に決めてても、やっぱりチョビットは焼き鳥系のようなガッツリ系がないと、食べた気がしないのよねん・・・・。
どこかで見た図。。。
どこで見た図かは想像がつきますが・・・(笑)
Commented by tiki-tiki2005 at 2007-12-03 20:47
tohkoさま>
あたくしもモノを食べるシーンがたくさん出てくる小説って大好き。
想像力が働く分、映像で見るよりも逆に食欲を刺激したりしますよね。
個人的に、食の描写が好きなのは宮本輝。
きっと普段からええもんばっかし食べてるんやろな~って思っちゃうわ。

我が家もポン酢消費量、多いかも~。
そして見かけるとついつい買ってしまうのだ。
封をきったポン酢かいっぱいあったりして^^;
Commented by のむのむ at 2007-12-03 21:39 x
どうも。地方の居酒屋ネタには、沸いて出てくるのむのむです(笑)。
赤垣屋、私も行きましたわ。
おでんも、〆さばもすっごく美味しかったけど、一番感激したのは接客。
常連さんが多いのに、一見の自分にも隔てない礼儀正しい接客。
近くにあったら、ものすごく通うのになぁ。
Commented by tiki-tiki2005 at 2007-12-04 12:30
のむのむさま>
あはは。
ホントだ。
沸いて出てきたわ。
そーいえば、仙台のネタのときも沸いて出てましたよね^^

そうそう。
接客が本当に素晴らしかった。
何人か待っているお客さんがいたんだけど、その人たちにも、なんとか待ち時間を少なくさせようと、色々と席の工夫もしてたりと。
とにかくあんなにステキな接客は久々に見ましたわ。

あたくしも近所にあったら「ものすごく(笑)」通います!!
Commented by apple_ibook at 2007-12-05 20:12
赤垣屋って難波とかににある立ち飲み屋さんとは違うのん?
3分過ぎただけで満席ってすごいわ!
開店前から長蛇の列だったのかしら。w
里芋って剥きにくいのになんでこんなに丸こく仕上がるんだろう。
やっぱり京都だからか煮物も上品な色合いだねぇ。
接客がいいお店って何度もリピートしたくなるよね。
それが付かず離れず丁寧なのが最高ー!
京都に行くときは絶対に寄りたいわ♪
Commented by tiki-tiki2005 at 2007-12-06 12:37
appleたん>
あたくしも、最初いっしょかと思ってたんだけど、どうやら違う店らしい。
難波にある赤垣屋って、TOKIAにも入ってるんだよね~。

里芋は、料亭で出されるような(って行ったことないんだけどさ!)お上品な味付けで、すんごく美味しかった!
付きだしでこのレベルってすごいよ。

そんでもって、絶対にあの接客は嬉しくなると思うよ~。
相方はんといっしょに、是非是非、行ってみてちょうだい!
Commented by ricette2 at 2008-05-12 08:02
お通しの里芋、柚子が効いていて美味しかった~
万願寺唐辛子は迫力の大きさ。でもペロリでしたけれど。
焼き鳥も三種いただきました。
京都の鶏肉ってなんでこんなに美味しいのかしらね。
美味しいお店を教えてくれて、本当にありがとう~

Commented by tiki-tiki2005 at 2008-05-12 23:12
ricetteさま>
そうそう!
あのお通しの里芋、絶品ですよね!お通しであのレベルって、本当に頭が下がります。
京都は牛肉だけじゃなくて、鶏肉も美味しいんですよね~。ってか、本当に食材に対するこだわりようが、やはりどのお店も一流なのでしょうか。

赤垣屋、気に入っていただいてとっても嬉しいですわ♪
by tiki-tiki2005 | 2007-12-02 14:42 | *2007秋 京都 | Comments(14)

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